多くの人を虜にする神秘の糸「蓮糸」の魅力とは?
美しいストーリーを持ち、またその希少性、質の高さから世界中に多くのファンを持つ蓮糸。
今回は、蓮糸についてよく知らない人でもきっと虜になってしまう蓮糸の魅力をお伝えいたします。
目次
蓮糸の作り方
蓮糸とは文字通り、植物の蓮から作られた糸です。
蓮糸はとても希少な糸と言われていますが、それは、大量の蓮を必要とすることに加え、作るのに相当な手間暇がかかることが大きな理由となっています。
普段の生活で蓮に触れることはあまりない私たちですが、実は蓮の茎には繊維が含まれており、ポキッと手で折って引き伸ばすと、茎の中から目で見えるか見えないか程のとても細い繊維が出てきます。
蓮糸は、その蓮から出てきた細い繊維を原料として使用します。
その繊細さ故に、蓮糸を作る工程はほとんど全て手作業で行われてます。
まずは繊維を蓮の中から取り出すために、蓮の茎を折るところから始まります。
中から出てきた繊維の一本一本は蜘蛛の巣のようにとても細く、そのままでは織物に使用することができないため、それを板の上で丁寧に手でこねる様に撚ります。
途中で乾燥してしまうと繊維の粘りがなくなり、繊維が纏まらなくなるので、水で濡らしながら束にしていきます。
とても根気の要る作業ですが、このようにして、職人の熟練の技と丁寧な手作業により、蓮糸は出来あがっていくのです。
蓮糸の特徴
蓮糸は、絹のような暖かさと麻のような清涼感を合わせもつ不思議な素材だと言われています。
それは、蓮糸の原料となる蓮の茎の繊維が螺旋状になっていることが大きく関係しています。
螺旋状になっている繊維の隙間には空気が入り、空気の層ができます。
その繊維の中の空気の層が、断熱材のような役割を果たすため、蓮糸は優れた保温性を発揮してくれます。
それと同時に、湿気を吸い取ってくれるため、湿度の高いムシムシとした環境の中では、麻のような清涼感をもたらしてくれます。
蓮糸は、触ると少しだけカサカサとした質感をしていますが、麻ほど堅くはなく、織物にして使用していくと非常に柔らかく馴染んでいく素材です。
また蓮糸の色は、染めの作業をする前の段階では薄い黄褐色をしていますが、天然の色素などで着色をすることで様々な色合いに変化させることができます。
蓮糸を使った製品の特徴
蓮糸を織って作った製品は、蓮糸の性質により、身に付けるものならば冬は暖かく夏は涼しく快適に過ごせる優れものです。
気温の変化に対応してくれる素材なので、一枚あればほぼ一年中使うことができ、気温の変化に負けず快適に過ごすことができます。
日差しの強い屋外とエアコンの効いた室内などで調節が難しい時などには、非常に重宝する素材です。
螺旋状で空気を含む繊維を使用しているため、重量も少なく持ち運びに便利で、軽やかであることも蓮糸を使った製品の特徴です。
また、麻のように清涼感がありつつも麻ほどは堅くなく滑らかな肌触りで、さらに使うほどにどんどん馴染み柔らかくなります。
蓮糸の作られている場所
現在、蓮糸の生産が行われているのはミャンマーのみと言われています。
ミャンマー中部のインレー湖という湖の近辺には蓮が群生しており、そこの蓮が蓮糸作りに使用されます。
インレー湖はとても大きな湖で、その大きさは、南北に22キロメートル、東西に12キロメートルにもなります。
この広大なインレー湖で育った蓮の茎を使い、現地の人々の手によって糸がつくられます。
まとめ
いかがでしたか。
ミャンマーという土地の現地の人々により、丁寧な手作業で作られた蓮糸。
そんな蓮糸で作られた製品には、一生モノの価値を感じられるでしょう。
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